危ない“違法建築” 巨大な廃屋群 持ち主に直撃 粗大ごみの不法投棄も【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年2月11日)

危ない“違法建築” 巨大な廃屋群 持ち主に直撃 粗大ごみの不法投棄も【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年2月11日)

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危ない“違法建築” 巨大な廃屋群 持ち主に直撃 粗大ごみの不法投棄も【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年2月11日)
京都の金閣寺の近くにある山の斜面には、違法に建てられた20軒もの廃屋が放置されている状況です。この中には廃材が積み上げられるなどしていて、近隣の住民の人は「建物がいつ崩れるか怖い」と話をしています。 ■ドローンで見えた廃屋の“全体像”  春は桜の名所として知られ、秋になれば紅葉が楽しめる京都市原谷地区。しかし、住宅が立ち並ぶ道路を上り、目に飛び込んできたのは木々に囲まれた巨大な廃屋です。  トタンで作られた外壁は、びっしりとツタに覆われています。世界遺産・金閣寺から1キロほどの距離にあるこの巨大な廃屋群。どのように建てられたのでしょうか。 原谷の環境をまもる会 吉田典夫さん 「(Q.なんでこんなぐちゃぐちゃに?)解体業者だと思うんですけど。廃材を持ってきて組み立てていったんです」  同じ地区に住む吉田さんによると、廃屋は廃材で組み立てられ、上へ上へと積み上げられていったといいます。  実際どういった構造をしているのかドロ―ンで撮影してみると、上へ継ぎ足し、継ぎ足しのようになっています。  15メートルほどの高さがある巨大な廃屋。上の方は窓ガラスが割れるなど、ところどころ崩れかかっていました。さらに奥へ進むと、廃屋の下には他の家があります。 ■住宅近くに廃屋 住民語る“恐怖”  巨大な廃屋から数メートル離れた場所にも、廃屋があります。廃屋の高さはおよそ4メートル。その真下には住宅があり、すぐ後ろに倒れそうな建物がたくさん見えます。  近くに住む男性は次のように話しました。 近隣住民 「25年前にここに来たが(廃屋は)その時からずっと」 「(Q.これまで被害は?)台風の時に物が飛んできたりとか、そういうことは実際にありました」 「(Q.何が飛んでくる?)トタンとかごみとか。危ないし、早く撤去していただけるならしていただきたい」  京都市によると、このエリアにはこうした廃屋がおよそ20軒も存在するといいます。巨大廃屋群のなかには、明らかに危険な場所に建てられたものもあります。  数軒の住宅が立ち並ぶ、すぐ裏手に建てられた茶色の廃屋。がけ崩れや土石流などが発生する恐れがある「土砂災害警戒区域」に建てられています。  さらに、廃屋を支えるコンクリートを見てみると、その一部がすでに崩れかかっていました。廃屋のすぐ下に住む女性はこのように話しました。 近隣住民 「倒れてきたりとか、風とか、台風が来たりすると怖いです」 「(Q.廃屋が倒れてくると自宅に?)側溝があるので、そこに落ちるか、でも風がきつかったりしたら飛んでくるやろし心配」 ■巨大廃屋群 誰が何の目的で?  この危険な巨大廃屋群。一体、誰が何の目的で建てたのでしょうか。  京都市によると、元々このエリアは市に許可なく建築物を建てられない「市街化調整区域」でしたが、1980年代中ごろから複数の土地所有者が建物を無許可で建築したといいます。  今や危険な建物となった巨大な廃屋群。山の奥へ進むと驚きの光景が広がっていました。 吉田さん 「(Q.これ元々小屋があったんですか)台風ですね」 「(Q.台風で崩れたんですか)はい」 「(Q.崩れた状態でそのまんま?)そのまんま、誰も来ないし」 「(Q.持ち主は?)持ち主は分からない」  この場所にあった廃屋は、おととしの台風で崩れ落ちたといいます。崩落から1年半以上、今も残骸が散乱していました。  さらに奥へ進むと、今にも崩れ落ちそうな廃屋。廃屋の中にあったのは、数え切れないほどの廃材の山。なかには窓を突き破り、外にはみ出した廃材もあります。  京都市によると、これら廃屋の多くは長年倉庫や資材置き場などとして使われていたといいます。  さらにこの廃屋は「おそらくフィリピンパブ」と吉田さんは言います。なぜフィリピンパブの扉が廃屋の一部に使われているのでしょうか? 吉田さん 「実は60年か70年前、原谷から千束ってあるんですけど、その道の中にフィリピンパブがあったんです。その残骸というか」 「(Q.解体して持ってきた?)持って来た」  吉田さんによると、別の場所で解体されたフィリピンパブの廃材を使い建てられたといいます。 ■巨大な廃屋の中を撮影  少なくとも20年程前から、その大半が放置されたままだという巨大廃屋群。所有者の一人に中を見せてもらいました。  所有者の父親が生前に使っていたという廃屋。一階には大量の廃材が所狭しと置かれていました。さらに2階へ上がると、そこにはタイルなどが入った段ボールが山積みに。他にも使われなくなった機材や流し台などが放置されたままでした。 廃屋の所有者 「(Q.建物のつくりはどうですか?)(私は)一応大工やっているんですけど、大工さんのやり方ではないと思います。あっちの方は床が抜けたっぽい。あそこから雨が落ちていたと思う」   廃材などを使って建てられたというこの建物。今では老朽化が進み、床が抜けるなど危険な状態に。男性は先月から廃屋の解体作業を始めたといいます。 廃屋の所有者 「(Q.近隣住民も廃屋を気にしているが?)できるだけ早く解体をして、ちゃんとけじめをつけるようにしたいです」 「(Q.解体する予算は?)100万円くらいですかね」 ■廃屋以外の“問題点”とは?  近隣住民を悩ます巨大な廃屋群。問題になっているのは建物だけではありません。大量のごみや冷蔵庫など粗大ごみの不法投棄が相次いでいるのです。  他にも、ナンバーが外された車やさびた自転車。ショベルカーまでもが数台放置されたままでした。  巨大な廃屋群の周辺で捨てられた大量のごみ。住民らは去年「原谷の環境をまもる会」を立ち上げ、不法投棄された廃棄物の撤去を求める活動を行っています。 原谷の環境をまもる会 松井拓也さん 「ここはペットボトルがめちゃくちゃ多いですね。置き場に来た人たちが飲んで、そのままポイッて捨てて。ひたすらごみは増えているので、いたちごっこですよね」  一方、近隣住民らは去年11月、京都市に廃屋の解体やごみの撤去を求める要望書を提出。京都市も土地所有者に解体を求めて接触を図っているといいます。 ■所有者を直撃 驚きの言い分  こうしたなか、取材中に出会ったのが建物の所有者でした。 建物の所有者 「(Q.ここは何で使っている?)ここは倉庫兼作業場ですね」 「(Q.何の作業している?)ちょっと特殊な職業なんですけど、地質学標本を作っている」  今も仕事場として建物を使用しているという男性ですが、京都市からは…。 建物の所有者 「(京都市は)最近話を聞きに来ますけど。(建築は)『本当はだめですよ』って言いに来ています」 「(Q.京都市から撤去しろって言われると困る?)色々なものを置いてしまっているから、『撤去しろ』と言われたらちょっと大変ですね」  京都市によると、この男性のように今も建物を使用している人は少なく、実際は土地所有者がすでに亡くなっていたり、行方が分からないなどの理由で連絡がつかないことも多いといいます。  そのため、相続問題に発展することも。また別の廃屋の所有者の息子だという男性に、話を聞くことができました。 “廃屋”所有者の息子 「あそこがきれいになろうがなるまいが、そこは俺の知ったことじゃない。(撤去は)お金がないからできない」  男性は廃屋の撤去に多額の費用が掛かるため、土地の相続を放棄することも考えているといいます。 “廃屋”所有者の息子 「(Q.京都市と撤去費用の話は?)全部一緒に(退去)して頭数で割ってくれよと。それだったら納得するけど、俺の所だけだったら納得できない」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年2月11日放送分より) [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp